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ヘルシアのヘルがHELLだったらすごい。


by kiennzann
いつものように行きつけのバーで、ミケランジェロが抱いていた憂鬱についてマスターと意見を交わしながら、心のどこかでは15世紀のスペイン建築様式(つまり言うまでもなくイサベリーノ様式とプラテレスコ様式のことだが)のその後の変遷を惜しみながらドライマティーニ、そう、4杯目のドライマティーニに浮かんだタバコの葉を薬指で掻き混ぜていた。
変わらぬ日常。

左側、3つばかし席を空けた所に座っている金髪女が俺を見ている。
これもいつもと変わらぬ光景だ。

何かおごってやろうかと思ったが、
「たしか経済学者のマルクスのモットーは、
全てを疑え、だったっけな。」
と思いとどまり、
俺のso colorfulな口説き文句がbe carefulに化けちまう前に店を出た。

今日は6月20日、俺の好きな俳優ダニー・アイエロの生まれた日だ。
俺がまだ4つの頃、親父に「ディナーラッシュ」という映画を見せてもらったんだ。

それももう2年前の話。

そんなことより明日は運動会だ。
かけっこには違和感を感じるんだ。
なぜなら俺は常に駆けて、そして賭けているからな。
もう午後7時をまわってしまった、早く寝なくてはな。

4月からはついに小学生。
友達100人出来るかな。
# by kiennzann | 2006-06-20 23:40

マシュマロデカ

大きいといえば乗り物で、そん中でもやっぱり飛行機はデカイ。

だけどそんな飛行機だって何機も飛んだり着いたり出来る滑走路を持つ空港にはかなわなくて、とても広い空港だって、結局空から見るとまるで机の上の消しゴムよりも小さくて、あぁ結局地球が一番デカイのか…
って、それでも宇宙ん中じゃあるのかないのかわかんないくらいのチッポケさ。

そんな宇宙のことを考えてる俺の、君の、頭の中が一番大きいんじゃないかと。
それでも午後4時くらいになるとお腹が減って頭の中はチョコレートで埋め尽くされる。

そんなチョコを、
包んでしまうくらいのチョコマシュマロのマシュマロ部分こそが、この世で一番デカイのではないかとにらんでいる。
# by kiennzann | 2006-06-20 02:06

しっこうんこ

ナントカ公正ナントカ取引ナントカ会とかいう得体の知れない団体。
何でこういうことになっているのか知らないけど、朝からとても大事な場に出席した。
うちの会社からは俺だけ。
お客さんと、そのお客さんと、さらに偉い奴らとの協議にTシャツで参戦。
一言の過ちが命取りとなる場。
カキンと張りつめた中、年齢も服装も明らかに浮いてる俺だけど、頑張って真面目な顔をしていた。
あの一言までは。

一人がこう言った。
「なんとかして…押し越したいです。」と。

緊張してたからか知らんけど、
その間の取り方とイントネーションがまるで、
「なんとかして…オシッコしたいです。」
と聞こえてしまって。
プシュッって吹き出してしまいました。

セキに見せかけてごまかしたけど、
何度も思い返しては左腿をつねって我慢しました。

デキるオトナなら、
「ウン、コうしたいですね。」
と言うべきだったのだろうかどうなのか。
# by kiennzann | 2006-06-15 00:41

ひざ小僧

「ひざ小僧」を知ってるだろうか。
地域によっては、もしくは年代によっては膝の皿のあたりをそう呼ぶ輩もいるだろうが、実はひざ小僧とは一種の妖怪(というジャンル分けは良くないのかもしれない、ただ、意思を持った生物なのだ)である。

俺はひざ小僧とは長い付き合いだ。正確に言うと長い付き合いだった。なにしろ8歳から15歳までのおよそ7年間も友達だったからだ。

彼は読書が好きだった。
トルストイやドフトエフスキーに耽り、たまに(面白いことに)落合信彦なんかを読んでいた。

とても物知りな小僧で、俺が疑問に思うことをいつもとても簡単なコトバで、だけど抽象的なイメージの湧くような、そんな気持ちの良い回答を示してくれた。

いつだっかか俺がこう聞いたことがあった。
「バニラとニラってバがつくかつかないかだけの違いなのにえらく違うよね。」と。
彼はこう答えた。
「おおかた一緒だよ。」と。
そしてこう付け加えた。
「というかもう何もかもが、全部が、おおかた一緒だよ。」

意味が分からなかった。
「何もかもつうと、コーヒーも虹もプラスチックもパソコンも微分積分も汗も、さらには感情とかそういうのも一緒なの?」
と聞いた。
「おおかたね。」と言っていた。

当時は、
「コイツは妖怪だから人間とは違うから、でも奇異の目で見られるのがイヤだから人間も妖怪も大体一緒だと思わせたいのでは?」なんて考えたものだけど、
最後の別れから10年たって、なんとなくだけど意味が分かったような。

彼はいつも、会うたんびに、昨日あったばっかだとか関係ナシに、最初の挨拶はこうだった。
「やぁはじめまして。」

当時の俺はその挨拶が嫌いだった。
# by kiennzann | 2006-06-07 01:58

なぞなぞマン

「第118問。」

うわっ。また出やがった。

時たま、そうだなぁ一年に5回くらいの頻度で突然出てくる。
俺が1歳と4か月くらいのときから。
風呂とかトイレとか俺が独りでいるときに唐突に。
そしていつもなぞなぞをふっかけてきやがるんだ。
今のトコ全問正解してるけど。
正解があるのかないのか、よくわからないなぞなぞ。
今回だって、
「世界を二つに分けるとしたら?」
だってさ。

「なんなんだよそれわっかんねよ。俺か、俺以外。はいこれでいいや。」

「正解。北か南とか、正義か悪とか答えたらもうお前の前には出てこないと決めてたんだ。また来るぜ。」

そう言ってどっかに小走りで消えていくんだよいつも。

前回は、
「酒を飲めない奴が人生の3分の1を損するならば、酒を飲めない奴が人生の3分の1を損すると思い込んでる奴は人生の何分の何損してる?」
とかだったんだよ。

「3分の1.3くらい。」
って答えたら、

「お前分数と小数のこともうちょっと知れよ。でも正解。」
だってさ。

もうこんなやつこなくていいのだ。別に。
正解しても何がもらえるわけでもないし。

だけど、こいつにはたまに教えられることもあるのです。
なんだかどうでもよくなった時にこいつが出てくると、ほんとになんだかどうでもよくなるのです。
金玉の力が抜けるというか。

なんだかどうでもよくなるということが一番どうでもよくなくないことなんだと、なんだかどうでもよくなくなりながら考えたりするのです。
# by kiennzann | 2006-05-23 01:26